20210123 北九州vs.大阪

今シーズン、昇格組ながら8位につける北九州と9位大阪の対戦。大阪はアルトゥール選手が名古屋に移籍して、監督も永井監督に交代と新しいサイクルの始まりの1年。そういう意味では北九州と同じ格好。

 
そんな両チームの対戦は前節北九州が勝ってるんですね。
なんというか、昇格してきたこの手のチームって相当難しいというか戦いにくい。のうえ何となく苦手意識植え付けられてのアウェイ戦、ってなわけで大阪としては難しい試合になると予想された上に、しかも今節は加藤選手を欠くと。
 
こういう中でどう戦うのか、みたいなのは監督の腕の見せ所な部分も大きいかと思ってみてました。まあすっごい難しいんだけど…
 
見始めたのは前半5分経過後。
Abemaつけたら北九州先制してました。とは言え1点くらいであればそこまで焦る必要もないかなという中でゲームが進んでいきました。
 
 

<プレスの統率力、ピンポイントの対人の強さ>

前半の戦いの差を分けたのはプレスでしたね。
北九州は持ち味のプレスを利用して一気に押し込みにいきます。特に、
・大阪の選手がサイドで一瞬孤立する瞬間
・バックパスに対する反応
のプレスには目を見張るものがありましたね。
 
もう一つ目を見張るのはフィクソとピヴォの攻防でした。
大阪はピヴォを使った攻撃を基礎としているのですが、今節は北九州の田村選手をはじめ大阪のピヴォに仕事をさせません。
プレスで相手の視野を奪い、後ろのスペースはフロートしてる選手がカバー。ピヴォに入ったらフィクソが対人力でカバー。これで大阪がほぼほぼ封殺されていました。
とは言え、北九州もボールこぼれを回収できるもののカウンターまでは中々繋げられず。繋げたボールも高見選手を始めとした大阪守備陣が集中していましたね


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<大阪のプラン変更>
こうした北九州の守備に対し、大阪は偽ピヴォを使うシステム変更を敢行。これが北九州に混乱を引き起こします。
こういう自分たちの得意なスタイルをうまく行ってないからと一旦捨てられるのがすごいですね。
 
とは言え、北九州も4分程度で流石の対応。
前2枚が積極的に捨てる守備をして、大阪を追い込んでいきます。そして、そのマークチェンジとカバーリングの攻防がピッチのメインになっていきます。
 
典型的なシーンがありました。
ディアゴナルで抜けていく選手に対して北九州がマークチェンジ。それに対し大阪は逆サイドを使ってトライアングルからパラレラに抜けていきます。
そこを使う大阪ですが、一旦は奪われます。
しかし、その次のシーンでは全く同じシーンから大阪がスピードで千切っていきました。そこからチャンスメイク。
 
こうした同じ形でも人によって攻防に差が出るのが面白いですね。

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<変わらなかった大阪>
後半の立ち上がり、大阪は再び3-1に戻します。
これが結果的に功を奏しました。
 
北九州はプレスが一瞬緩んだタイミングで相井選手が完璧なタイミングで顔を出し、左奥へ。相手の出方を伺おうとしたのかフィクソの一瞬ピヴォへのチェックが甘くなった瞬間、相井選手が反転から15メートルクラスのスーパーミドルで同点。
オーバーラップで北九州の選手が交錯したのですが、これも北九州の一瞬の立ち上がりの緩みだったかなと。
 
これで大阪がリズムを作ります。決して前半のはじめとやってることは変わらなかったですが、大阪は自分たちのプレーを続けます。北九州クラスのプレス精度はなくても、エースがいなくてもその場その場で変わらずにやること。
北九州はそんな大阪に対して若干徹底度が緩みます。前半であればボールを相手陣に入れてプレスで押し込んでいたのですが、ボール保持も見せつつプレー。同点になったのも大きいかと思いますが。
しかし、ボール保持の中ウーゴ選手がワンツーを出そうとしたのを足を伸ばしてカットした今井選手がそのまま小島選手との1v0を制して逆転。
ここしかないというコースをつく完璧な得点でした。

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<北九州のタレント>
逆転された北九州は一気にギアを上げます。
プレス強度も前半の息を吹き返しましたし、サイドからピヴォ→侵入という得意の形で清水選手などがチャンスメイクを行います。
プラスで試合の流れを変えたのはセットプレーでした。
北九州キッカーのウーゴ選手、シューターのクリスチャンチャオ選手が流石の違いを見せつけます。とは言え、大阪は高見選手が立ちはだかりました。大阪の選手が最低限防いだコースから溢れたボールを全てブロック。タレントにはタレントで。ここから試合がオープンになっていきます。
 
<試合を決める力>
北九州の上記のチャンスメイクに対し、リードを奪った大阪もその逆を突きます。前半と違い、北九州フィクソのチェックが緩まるシーンが増え、ピヴォに入るように。そこから侵入によるチャンスが一気に増えました。
最も、これも北九州の小島選手がゴールを割らせません。一進一退の攻防の中、試合をどう決めるかという点のみを残して試合は終盤へ。残り4分でパワープレーを敢行した北九州に対し、試合を決めたのは高見選手のPP返しでした。
 
 
 
これで勝負アリ。
試合というのはチーム全員で作り上げるものではあるのですが、試合を決める選手というのは多くの場合一人です。
この試合では大阪のゴレイロにそれがいて、北九州にはいなかった、単にそういうことだったのでしょう。
しかし、北九州も多くのチャンスを作っていたわけですし、こういう試合もあるのかなとは思います。
 
 
 
これで大阪が暫定8位へ。残りわずかのシーズンですが、今後もみていきたいですね。
 
 
 
北九州 1-3 大阪
 
北九州 OG
大阪 相井、今井、高見